レギュレーションは 弓矢縛り① - インペリアライザー制作記をご参照ください。
本記事のリプレイログのファイルはアップローダーに上げております。
15章、16章の再調整を行いました。15章はマップの地形変更のみ。16章は地形変更に加え、敵の初期編成を微調整しています。具体的には洗脳兵が一体減っているのと、敵総数も微減。あとサキュバスを中央に一体配置したりしています。
以前より難易度の高さを指摘されがちな章だったのですが、作者は特に難しいとは思っていなかったため、場当たりな調整ではなく難しさの本質を見極めたいと思い、対応はしばらく寝かしておきました。
今回弓矢縛りで訪れたことで、その原因もおぼろげながら見えてきたので調整に踏み切りました。
解説にあたり、まず作者が16章を難しいとは思っていなかった理由からですが、当然「すべての仕様を知り尽くしているから」であります。実際のところ洗脳兵の行動パターン、敵将ラガースィアのスキル「樹霊支配」の仕様を把握し、天馬三姉妹がいてタルサの「樹霊干渉」を使いこなせればそこまで難しいマップではありません。
しかし洗脳兵や樹霊支配については初見で把握するのは難しい部分があるのと、「樹霊干渉」についても初見では使いこなせないか、その重要性に気づかずタルサを出撃させないといったことも考えられそうです。
今回弓矢縛りで強制的に同じステージに立ったことで、この章の調整の必要性を再認識できました。ではどこを直すべきか? 注目するべきはマップの地形だと感じました。
森のステージということで当然森が多いのですが、飛行ユニット以外には移動の阻害となりストレスを与える要素でもあります。とりあえず設定上は密林というだけあり、森を大量に配置するのは妥当としても、この配置のやり方に設計思想や哲学がないのが問題でした。ほぼ感覚でランダムに配置しており、必然的にある程度森を踏まなければ進むことができないステージです。今だからこそ分かりますが、設計としては良くないステージであります。
では思想をもって設計した森ステージとはどうあるべきか。自分はこれに「迷路にすればいいのではないか」という仮説を立てました。
迷路なので正解の道筋(ゴール)があるというのは明確な指針となります。また本作では騎馬ユニットは森を移動するのに多大なコストを要しますが、迷路状ならばどこかしら最大距離である6ヘクスの移動が可能となります。
そして森は移動コストが高いだけで障害物ではありません。迷路的な意味では壁を抜けて進むこともできるという、ちょっとしたチート気分も味わえます。
そう考えると今までの15、16章はどこを進めば正解なのか分からず、どこを進んでも森に引っ掛かるというのはかなりストレスフルな設計だったなと猛省するところであります。
あと16章は敵将の樹霊支配により、森のどこにいても攻撃(かなり痛め)を食らい得るという充分すぎるギミックがあるため、並列して洗脳兵の対処もするというのは結構な負担だと気づき、洗脳兵を一人減らしました。これによりジスマも合わせると洗脳兵は合計4人となります。
今回のマップ変更はver.0.98以降の反映となりますので、以前のバージョンで0.98以降のログを開くと整合性が無いことにご注意ください。なお0.98以降のゲームバージョンで以前のログを開く場合、旧マップを参照できるようにプログラムを組んでいます。
また0.98に更新以降は、セーブから再開した場合15章、16章は以前のバージョンに関わらず新マップを参照します。当該箇所を攻略中の方はここをクリアしてから更新するか、更新してクエストモードからやり直すことを推奨いたします。
余談ですが偶然にも、2章フォルゼーレの森は迷路的な設計ができていました。これは無意識的に感覚でやっていたものなので、今回で言語化、自己認識できてよかったです。
以下からは新マップ仕様の16章の弓矢縛り攻略記事です。
<16章>
まずは自軍を動かした状況。敵を待ち構える形、そして森を踏まないように進めている。これはもちろん魔将ラガースィアの樹霊支配による樹術を食らわないためだ。
ちなみに樹霊支配及びラガースィアの行動にはいくつかの特徴がある。
・樹霊支配で使用する術はローテーション式で、「ナイトシェード」「夢見の花粉」「ソーンプリズン」「吸命の蔦」の順に使う
・敵に攻撃できない場合は森にいる味方にハーミットカラーを使う
・通常の攻撃範囲に敵がいる場合はそちらを優先し、樹霊支配は使わない
・イールズ兵が洗脳状態にあれば戦闘不能であっても攻撃対象としない (だいぶ古いバージョンでは対象としてくる)
こういった仕様を把握していれば、あえて食らいに行き無駄行動を誘うのも手だ。
「ナイトシェード」や「夢見の花粉」は耐性を高めたユニットや、ジファルの「プリズムヴェール」で受ければ無害化できる。「ソーンプリズン」は移動さえしなければ無害。「吸命の蔦」は無効化は難しいが、耐えられるユニットで受け即座に回復すれば痛手にはならない。
弓矢縛りでは対策を取りづらいので、なるべく森には入らないようにしていく。
ユノーが撃破された。14章以降は「死地生還」のスキルは消えているため死亡ロスト。ただしこれは後の仕込みのための意図的なもの。
洗脳兵への対処も並行して行う。前章と同じく短弓の戦技「足留め」を活用する。
南西からゼノビアとベルムート登場。弓矢縛りにおいてはゼノビアのみ使用可能となる。
通常プレイであればバイコーンを撃破するところだが、ベルムートが攻撃に参加できないため(武器交換で攻撃することは可能だが有効打にはならない)、東のケンタウロスを威圧してゼノビアに干渉させないようにする。
サキュバスと交戦。「魅了の魔眼」は非常に危険なため、「デイドリーム」を使わせたいところ。同性で受けることで被害は少なくなる。欲を言えば精神の高いユニットで誘い出したかった。
洗脳ジスマは強敵だが、一度ダメージを与えれば回復の為に一手使うので時間稼ぎができる。ちなみに樹霊干渉ができるならジスマへはもっと楽な対処法があるが、今回は割愛させていただく。
気をつけていても食らう時はくらってしまうもので……
南西の二人はここまで。弓矢が使えない以上、これ以上踏み込むのは危険。
ややミスで少々危険な状況。覇道ラウフェイゆえの「意志力」がなかったらやられていた。
そろそろ洗脳兵を鎮静剤で無力化していく。まずは最も危険なジスマから。ちなみに薬草学なら洗脳を225と通常の鎮静剤よりもやや回復させることができて有用。
洗脳が解けたイールズ兵は離脱していく。ただしジスマだけはベルムートに向かっていく。ver.0.98以降では進路上に敵がいれば攻撃するようになった。
ここまで来るとあまり恩恵はないが、ジスマに会話しプレイヤーユニットとしておく。もっと早い段階で操作可能にするには樹霊干渉が必須。
ようやくリュバルドのアーバレストに出番到来。一気に約80のHPを削る。この後はタルサに経験値を与えたかったのでトドメを調整。
以上、16章の攻略となった。ver.0.80以降できる限りマップの変更をしたくなかったが、明確な改善のビジョンが見えたので断行した。以前のバージョンのログの価値などが霞んでしまうため、気になる方々には申し訳ないところだ。
一応、前バージョンのマップでも弓矢縛りで攻略できたが、なかなかしんどいところがあった。攻略の最適解を選べないとこういうものかと改めて思い知った次第である。ゲーム制作者は、自作品を制限プレイでもテストランしてみるというのは予想以上に重要なことなのかもしれない。